解決 ごみ問題

海洋プラスチックごみがプランクトンの動きに与える影響

海洋プラスチックごみがプランクトンの動きに与える影響

最終的には人の肉眼では確認できないほど小さなマイクロプラスチックとなります海には非常に数多くのプランクトンが生息していますが、海洋プラスチックごみはそのプランクトンの動きに大きな影響を与えかねません。
海洋プラスチックごみはペットボトルのように空気を含んだり、海水よりも比重が軽かったりするため、海流に乗って漂うことが多いです。

そして、身体が軽いプランクトンも同様に、海流に身を任せて生息しています。つまり、海洋プラスチックの数が多くなれば、プランクトンの居場所を奪ってしまう恐れがあります。居場所を奪われたプランクトンが、別の場所に移動することも考えられます。

プランクトンはプラスチックを分解することができません また、海洋プラスチックごみが海の中で波に揉まれていくと少しずつ破壊されていき、最終的には人の肉眼では確認できないほど小さなマイクロプラスチックとなります。そのマイクロプラスチックを、プランクトンが食べてしまうことがよくあります。
微生物であるプランクトンは、餌とマイクロプラスチックを見分けることができません。実際にマイクロプラスチックを餌と間違えて食べてしまったという実験結果もあります。

もちろん、プランクトンはプラスチックを分解することができません。
しかし、マイクロプラスチックであっても食べると満腹感を得てしまうため、新しい餌を食べようとしなくなります。

そうすると、餌が元となるエネルギーを作り出すことができず、早い段階で死んでしまいます。生息していればできたはずの活動も不可能となり、本来あるべきではない場所にプランクトンの死骸ができてしまいます。

また、プランクトンは海の食物連鎖の起点にいます。
食べられることで、魚や鳥の栄養源となります。そして、体内にマイクロプラスチックを蓄えたまま、食べられることも珍しくはありません。その場合は、蓄えていたプラスチックがそのまま捕食者へと移ってしまいます。海洋プラスチックは有害物質を吸着しやすいという性質があり、その有害物質が食物連鎖上の生物にも影響を与えることも考えられます。
このように、海洋プラスチックが海の生態系に与える影響は大きいと言えるでしょう。